THE SHITMS (ザ・シトムズ)インタビュー 2013.11.7 cafe and bar gigi
◆THE SHITMS◆
2000年未明、Vo.Gu.ヌマノとVo.Gu.タマエの二人ユニットとして活動開始。のち、バンド編成に。メンバーチェンジを経て、Ba.イズミ、Dr.オオサコが加入し4人体制となり、2005年1stアルバム「more softly」リリース。2006年から東京でのライブ活動も行う。ヌマノの活動休止に伴い、2012年より白☆星のフクモトがサポートギターとして参加。2013年10月18日、8年ぶりのアルバム「present」をリリース。
ヌマノヒロキ (北関東支部/Guitar/Vocal)
タマエハルヒコ (Guitar/Vocal)
オオサコケイスケ (Drum/Chorus)
イズミジュン (Bass/Chorus)
フクモトタケヒサ from 白☆星 (Support Guitar/Chorus)
◆インタビュアー◆
安増裕章(the camps)
※このインタビューは、2013年11月25日発行の福岡発フリーペーパー「TIME MARKET No.193」に掲載された、THE SHITMSインタビューのノーカット版です。
--とりあえず、自己紹介から始めたほうがいいかな……えっいらないっすか。
タマエ(以下、玉):いいやん、やりましょうか。
フクモト(以下、福):自分から(笑)。
--僕(笑)? the campsの安増です。
福:バンドやってるの?
--ま、ちょろっとです。
(一同笑)
玉:ま、そんなこんなで、ギターボーカルやってます、金玉の玉に江戸の江で玉江です。
--ははは。
イズミ(以下、泉):ベース担当のイズミジュンです。あと、コーラスも。
オオサコ(以下、迫):ドラムとコーラスやってます、オオサコケイスケです。
福:サポートでギター弾いてます、福本です。福岡の福に、ブックの本です。
玉:(笑)
泉:あとは一人、休みですけど、ヌマノヒロキが今、茨城で修行中(※注1)。北関東支部。
(※注1)THE SHITMSのオリジナルメンバーであるVo.Gu.ヌマノは現在、茨城県笠間市の兄の下で焼き物の修行中。
THE SHITMS 結成のいきさつ
--シトムズは結成して何年くらい?
泉:オリジナルは一人(タマエ)だけ。(この場所にいるメンバーでは)
玉:この前もそんな話をしたんよね。
--(結成は)どっからかっていう。
玉:そう。迫ちゃんが入ってから?
迫:でもその時にはシトムズ確立してなかった?
玉:マサ(現THE PRACTICE)がおる時からとしたら、ジュンちゃんも一緒くらい?
泉:(入ったのは)24歳になる年やったと……25歳の時やったかな?
玉:10年は全然たっとうよね。11年くらい。
--ヌマノさんが入ったのは?
玉:いやいや、二人(ヌマノとタマエ)で(始めた)。
福:シトムズ名義を語ったのはいつ?
玉:二人(で始めた時から)なんよね。
--二人の宅録ユニットみたいな。
玉:そうそう。そっから始まって。
--バンドしようやっていうことで。
玉:三浦(現THE PRACTICE)っつうドラムが、その前も一緒にバンドやってたんだけど、 バンドやろうやってなって、ドラム入って、ベースはとっかえひっかえしよった。
泉:僕は三浦君に連れられて。もともと(三浦君と)仲良くて。 バンドをしたいって言う二人がおるけんって。(ヌマノとタマエの)顔は一方的に知ってたけど、 ライブ1回だけで良いけんやっちゃらんやか~みたいな感じでやったのがきっかけで、11年。
--最初のライブはビブレ(・ホール)とか?
玉:そう。けっこうビブレでやりよったね。最初キャンプズとかと(共演した)かもしれん。
(当時の記憶を思い出そうとするも、はっきりせず。)
--あのときが最初期?
福:そん時は迫ちゃん入っとった?
迫:おれ入ってない。
玉:デモ2作目までは、迫ちゃんおらんくて。
--ふ~ん……
福:困ったねえ(笑)。
玉:どっからこのメンバーかっていう。だから迫ちゃんがいつ?
迫:たぶん26ぐらい。ちょうど10年ぐらいやないかなあ。
玉:その前からやけんもうちょい前か……どうでもいいか。
福:あきらめた(笑)。
新アルバム「present」について
--新譜のリリースということで。タイトルの「present」の意味は?
玉:“現在”という意味があって、つけたんやけど。沼ちゃんがお休み中なので、 沼ちゃんがいない時に、このメンバーで今やれることと、出せる音という意味を込めて。 あとpresent(贈り物)と同じつづりなんだけど、そういう意味もちょこっと入れつつ。 ま、“今のシトムズ”。
--福本さん(白☆星)が入ったのはどういうきっかけですか?
福:俺がマーカス(のシトムズのライブ)について行って、 そん時に(3人のライブが)なんかこう……あんま良くなくて。ま、勢いもあって。
玉:「手伝っちゃあ」つって。
福:そうそう、「手伝っちゃあ」って。
(一同笑)
--上から(笑)。
玉:そもそも沼ちゃんが白☆星でヘルプみたいな形でギター手伝ってたのもあって。
福:そうそう。まあ、沼ちゃんが(活動)出来んくなって気になってた部分もあって、シトムズのことが。 実際、白☆星のことで公私含めて沼ちゃんに甘えとった部分も……甘えとうというかまあ、 (白☆星の)レコーディングするに当たって、色々注文とかしよったし。 そういうのも引っかかっとって、なんていうのかな、沼ちゃんが音楽活動できん状況になっとったけん、 気になっとう部分もあって。行ける時はシトムズ見に行こうと思って。
--なるほど。
福:って思ってた時に、なんか、「そうなんかなあ」みたいな。
--(笑)
玉:ここは俺がやらないかんなあって。
福:自分にできることないかなあって(笑)。
玉:……ほんと助かっとうね。
泉:それがあるけん、音源ができた。
2枚組にしようぜ!
--(今回のアルバムは)2枚組ですよね。なんで2枚組にしようと思ったんですか?
玉:これはね、もう、ポッとこう……「2枚組にしようぜ!」って。
(一同笑)
迫:遊び心もありつつ。
玉:軽く勢いなところもありながら。
--1枚目が今の体制でレコーディングした音源、 2枚目は過去にヌマノさんが中心になって録音していたデモをまとめたものですよね。 僕らとしてはヌマノさんの声が入ってるのは嬉しいなと思うんですけど、 ヌマノさんの存在って大きいと思うんですよね。バンド的にも。
福:(フクモトが入って)4人になってからやり始めた時もやっぱり、 沼ちゃんのためにじゃないけど、みんなどこかしら、真ん中に沼ちゃんの存在があって。 自分達をそういうふうに奮い立たせていた部分もあると思うし、 それでまとまっていった部分もあるけん。せっかくちゃんとした音源作るなら、昔のやつも……。
玉:入れようやっつって。
泉:プレスしてなかったけん、まだ持っていない人たちにも、このプレスしていない音源も、 この盤で出せるかなって。いろんな面でちょうどいいタイミングやった。 あと福岡の名も無きバンドマンが2枚組で(笑)。話題になるかなと。
玉:「2枚組1500円ば~い」って。
アートワークは全部、沼ちゃん
--ジャケットのデザインについて聞きたいんですが。
泉:沼ちゃんが今回レコーディングに参加してないけん、どっかに参加しろやみたいな。
玉:沼ちゃんが絵を描きだして。まあ昔から描きよったんやけど、みんなの写真を撮っちゃ絵を描いて送ってきてくれてみたいなのがあって。 じゃあそれをそのまま使おうやっていう。メンバーの絵も描いてくれとったし。それをジャケにのっけて。 俺が適当に言ったことをジュンちゃんが忠実に再現してくれて。「まんまやし!」みたいな。
泉:沼ちゃんも休んどるわけやなくて、今回しっかりアルバムに参加して、っていう。 トレーの部分の陶器(※注2)も沼ちゃんが作っている。 焼き物の修行もしとるけんそこで作ったやつを写真に撮ったやつを使ってます。 アートワークは全部、沼ちゃん。
(※注2)CDを収めるトレー部分に、ヌマノが陶器で作った「SHITMS」の写真が使用されている。
アルバム収録曲① 「終わらせることのはじまり」
--CDでそれぞれ好きな曲はありますか?
玉:そんなん聞かれるかなって思ったんやけどね……全部好きやけねえ。
--(笑)
玉:俺はでもねえ、沼ちゃんの曲の、「終わらせることのはじまり」。 これは昔の曲なんやけど、1番好きで。沼ちゃんが歌いよう時も、ハモりで入りたかったけど、 ギターの都合上ハモれるまでのテクを持ってなかったがために、 一緒に歌いたいのに歌えんっちゅうこの悔しさが……だけん今回曲を何を入れようかってなったときに、 わりと最初に「これを入れたい」っていうのを言っとったかなあ。
--なるほど。
玉:詞の内容は暗いような感じだけど、捉え方によって色々、人によって感じ方も違ったりすると思うし。 「終わらせることのはじまり」っていう響きがねえ、好きだなあ。
福:沼ちゃんはあんま表に出したくないって。
(一同笑)
玉:さらっと流してくれみたいな(笑)。
--それまではヌマノさんが歌っていた曲を、今回タマエさんが歌うってなって。それってどうですか?
玉:あのねえ、複雑。やっぱ沼ちゃんの曲やったりするし、やっぱあの人の持ち味、あのへたうま……上手くはないな。
(一同笑)
玉:味よね、味。顔で弾いて歌うやつやね。あれが俺はまた違うけん。 そういうので、俺なりに表現するには、とかすっげえ思ったりもしたけど。 やっぱり、自分なりに感じたまま歌うしかないなっていう。
--あまり意識せずっていう。
玉:そう。自分の曲にしてやろうぐらいの気持ちでは歌ったけど。
福:沼ちゃんが歌いよった曲を玉ちゃんが歌った曲、今回いいなあって。 意外になんか……面白いなあって。面白いというか、歌い手が変わってもしっくりくるというか。
--フクモトさんのギターになってからのシトムズっていうのも、 ボーカルがタマエさんに統一されて、バンドの力強さが、2枚目のデモと聞き比べても、 増したなあって思うんですよ。どっちが良いとかじゃなくて。 バンド自体が前向きになったって感じるんですよね。ライブもですけど、力強さっていうのを感じて。
玉:嬉しいっすね。
--以前のシトムズはもっと自然体な、つかみどころが無いっていうか。悪い意味じゃなくて。 今回はフクモトさんのギターもですけど、前向きになった。ここからヌマノさんが入ったらどうなるんかなあって、 また変わってくんじゃないかって感じはします。
玉:ありがたいねえ。
泉:よう聞いてくれとう。
--面白かったのが、同じ曲が1枚目と2枚目に入っているじゃないですか(ひかりヶ丘洗濯日和、32TRACK、がんばるなんての3曲)。 同じ曲でも、2枚目の曲の方が、長いですよね。分数が。
玉:(笑)。
--展開が変わってるとかじゃないですよね。
玉:テンポが……。
--その辺に表れてるかなあって。
玉:(1枚目の方が)気持ち早めやね。フクモト節があるけん、その良さがうちでやるにあたって、 (テンポを)上げていった方がしっくりきたりとか。すごい聞いてくれとって、うちらの曲を。 で、ぜんぜん沼ちゃんと違う(ギターのアレンジ)を持って来てくれて。面白いよね。
--フクモトさんのギターが押し上げてるような感じがするんですよね。
2枚目はタメを重視してる感じがする。
玉:そうそう、空間を。
--空間と間を重視してるなあと。その差が面白いなあと思って。
アルバム収録曲② 「グリーンヒル」
--ほかに好きな曲はありますか?
迫:「グリーンヒル」が。
泉:あ~。
迫:「グリーンヒル」だけかな、沼ちゃんとやったことのない曲。沼ちゃんがいる時には、やっていないよね。
玉:これは俺が沼ちゃんと二人でやりよった時にやっとった曲で、それぞれ一人でやりよった時もあって、 その時に沼ちゃんが作った曲なんやけど、埼玉の実家で住んでいたアパートかなんかの名前がグリーンヒルで。 それをよく歌いよったよ、二人で。
福:スタジオではみんなでやってないったい。
玉:やっていない。
福:「終わらせることのはじまり」はちょろっと。
玉:ライブで。でも何回かやね。
泉:アレンジで納得いかんで音源にもなってなかった、「終わらせることのはじまり」は。
--「グリーンヒル」は、フクモトさんが入ってからなんでやろうって思ったんですか?
迫:玉ちゃんがやろうって言った。
玉:コーラスワークが聞かせどころというか。と、二人でやりよった時はアコギでやりよってアコギでも全然OKなんやけど、 バンドでやってみたいっちゅう。で、フクモト君が入ったけん、わ~っといく感じが出せるかなって思って。 バンドで沼ちゃんもやってないけん、沼ちゃん的にもね(笑)。
泉:沼ちゃんが聞いてどう思うんやろうとかって。
--ヌマノさんは何か言ってましたか?
玉:うんとね、俺はこれといってコメントをもらっていない。
(一同笑)
泉:もらったコメントといったら、同じ言葉の繰り返しやけん、ちょっと稚拙かなっていう
(※注3)。
玉:(ヌマノが)かなり若い時の曲っちゃあ……まあ内容は今も昔も変わらん(笑)。
福:でもみんなで歌えそうな曲やんね。
玉:というのもあって。
--いきなりサビから始まって、キャッチーですよね。
泉:まあ全部がサビかもしれない(笑)。
--最後の後奏がめっちゃ長いですよね。
泉:あれはフクモト君のアイディアが。
福:もう1回バーンって入ろうみたいな。
--だって歌2分半くらいで終わるのに、あと5分くらいある。
泉:(笑)。
福:5分くらいあるか。
玉:後半の部分は……ほんと白☆星調。“あ~あ、バーン!”って入るのが、 「わ~ないね~(今までの)シトムズには」「やろうぜやろうぜ!」みたいな。
泉:これはフクモト君のギターが炸裂して、そっから広がった曲ですね。
(※注3)「グリーンヒル」の作詞・作曲はヌマノヒロキ。
アルバム収録曲③ 「32TRUCK」
--タマエさんのつける曲名なんですけど、「32TRUCK」はこれ……。
玉:これ「サニートラック」って読む。
--ヌマノさんの曲は、歌詞にタイトルが入ってくるけど、タマエさんは意外と……。
玉:僕ねえ、タイトルつけるのが下手くそなんですよ。
--(笑)
玉:うん。難しく考えすぎて変なタイトルをポンとつけてしまう感じなんだけど、 「32TRUCK」に関しては、そもそも、友達が結婚する時に作った曲で、結婚式でちょっと歌ってくれんかっつって作った曲で。 その結婚した彼が日産のサニートラックに乗ってよく奥さんとどっか行ったり。 で、歌詞の最初の「七輪をもって海に行った」とか、二人の思い出話はよく聞かされよったし、 そういうのをポポポポっと言うのから始まって。
--その夫婦のエピソードが盛り込まれていて。
玉:そう。で、結婚式で歌ったのはもっと短い曲だったんだけど、バンドでやれそうな気がすると思ってそこからまたプラスしていって。詞の内容と曲の感じと。で今に至る。
「やっぱりコーラスあってのっていうのは思うよね」
--さっきも話に出ていた“コーラスワーク”が、シトムズの魅力の一つだと思うんですけど。
泉:コーラスは…出しゃばりなんですよ(笑)。
--でもちゃんとコーラスじゃないですか。
泉:どうとかいな。あんまこう……教科書どおりのっとって作っとうわけじゃなくて、二人(イズミ、オオサコ)とも気持ちいいとこで歌っとう…出しゃばりなんですよ。
--(笑)
泉:本当は歌いたい(笑)。
玉:ふたりシトムズやりよったもん。自分が出れなくて、リズム隊二人でアコギもって歌うみたいな。
福:コーラスありきで曲を作りようけん、そうなんやねえと思って。
玉:やっぱりないと寂しくて。録音の時もそうやったけど、俺だけ歌って聞いても、 なんか足り~んっちゅうのがみんな入ってくると、「あ、きたきた」っていうのが。やっぱりコーラスあってのっていうのは思うよね。
--シトムズみたいなギターバンドで、コーラスが全編入ってっていうのは、あまり無いって思うんですよね。
泉:でも沼ちゃんが言いよったのは、FIELD(※注4)っすね。
--あー。やっぱり。僕もFIELDのコーラスワークっていうのは感じていたんですよ。
泉:おお~。
玉:なんかもう……おこがましい。
(一同笑)
玉:とんでもないっちゅうぐらいの。
福:まあおらんっちゃあおらんねえ。
(※注4)FIELD…1995年~2005年まで福岡を拠点に活動していた4ピースバンド。 フロントマン林田恭孝は現在、バンドGINZA LIGHTSでの活動のほかレーベルGIRLFRIEND RECORDを主宰。
衝撃を受けたベースやった
--シトムズ自体、ジャンルがわかんないっすよ。ギターポップなのかパワーポップなのか。
泉:ヘビー系なのか。
--うん……ヘビー系はないっすけど.。
(一同笑)
玉:それはジュンちゃんの弾き方が(笑)。
--でもああいうギターと、イズミさんのベースの絡みとかってすごい面白いですよ。
泉:ヘビー系のベース出身だから。
玉:ゴリゴリのヘビー畑。
--8ビートでドンドンドンドンってやりたくなるじゃないですか。
泉:あ~そういうのもあるんですけどね。
--でもベースの動き方とか面白い。当たり前じゃない感じですよね。
玉:なんかねえ、一番最初(イズミが加入した頃)に「この曲やってみようぜ」って…… それこそうちらがドンドンドンドンってとこに、ジュンちゃんが、ズバズバズバズバって16くらい入れてきて。
(一同笑)
玉:「すごすごすごすご!」って。これ面白いね~って。衝撃を受けたベースやったりして。 うちらにはないこのメタル畑の味はね、特に面白いですね。
泉:まあ、弾き過ぎっていう難点もありますが(笑)。
玉:やけん意外に録音しよってから、「むっちゃ弾いてるんや!」って。 一緒にやりよると気づかんけど、実はゴリゴリ弾きよったんや!って。 その点、沼ちゃんが客観的に聞ける人で、練習の演奏中でも、ぜんぜん思わんかったこととか沼ちゃんが「迫ちゃん、 キックがそこじゃなくて」であったりとか、ああいうのがちょっと今、少なくなっとうけん。
福:沼ちゃんが多分ね、そこはそうって決めとるんよ。そこじゃなきゃいやっていうのがあって。
玉:でもそれが意外に漠然としとったりもするけん、そこを出したいけど「そうじゃなくて、ああじゃなくて……」みたいなんで、結局ずっと曲が形にならんでっていうものは多いよね。
泉:日の目をみない曲がいっぱいある(笑)。
--それはありますよ、バンドだから。
福:おれ玉ちゃんとやり始めてから、玉ちゃんも結構ちゃんと持っとうな、こうしたいっていうビジョンがあるんやなあって。
泉:やっぱ感覚は鋭いよ。シトムズとしての“正解”が玉ちゃんにはあるなあって、今回気づいた。
福:人それぞれ、仕上げ方というか持っていき方が違うんやね~って思って。白☆星は白☆星であるけんねえ。
--4人になって新曲は作ったんですか?
玉:「ひとつぶの光」はそうやね。4人になってから、沼ちゃんは全然絡みなく。
福:「ひとつぶの光」と「グリーンヒル」と「終わらせることのはじまり」は俺が入った後、ほとんどヒントも無い状態から作った曲。
玉:ゼロから作ったのは「ひとつぶの光」やね。
生活あってこその音楽
--これからの活動について聞きたいんですが。みんな仕事をしながらの活動ですよね。
玉:結局ね、無理のないよう楽しむというのが一番で。それに尽きるのかな。
泉:生活あっての音楽だと思うので。今のシトムズは。音楽のためにこうしようとか、音楽でお金を稼ぎたいからこうしようとかじゃなくて。 生活があってそこから産まれるものというのが本来あるべき姿じゃないかなと。 音源とかがない世界は。神をたたえてみたいな音楽とか……。売れるもんとか商売するもんが音楽じゃないと思うので。 生活あってこその音楽。なので、生活をちゃんとしながら。
玉:生活の一部っちゅうかね。
泉:だからって、なあなあな音楽をしたら人前に立つべきではない。スタジオで遊んでればいい話で。 人前に立つんであれば、共感を持ってもらえるような曲を作っていかないかんわけで。手は抜かずに。 で、やっぱり続けていくことが大事じゃないかなと。
福:前からそんな感じやったけど、(バンドの)雰囲気がやっぱり…… 今回のレコ発もあって(締切までに)無理して作らないかんっていうのもあって、みんな頑張って集まってやる部分とか。 雰囲気はだいぶ、攻めてる……変わったなあ。
--リリースで変わりますよね。
玉:ね! 音源作ると。
泉:やっぱり人に伝えていこうとか、伝えたいっていう部分が全面に出ると思うから。
福:楽しむための無理はちょっとしながら、生活と、音楽をしっかりやる。
泉:今回のレコ発(※注5)、結果「面白かった!」しか残ってない。
玉:楽しかった。それが一番だと思う。
--今後の展望は?
福:今後どうなっていくか楽しみだったり不安だったり。サポートで入っとうけど、もう一歩踏 み込んでやるってなるとどうなるか、期待と不安はあるね。
泉:まあ近い展望は、沼ちゃんにこの音源を作ったシトムズのライブを見てもらって、あわよく ば参加してもらってっていうのはあるので、東京でライブはしたいなあと。あっちの人たちにも 見せないかんなあと。
玉:新曲つくろう、新曲。
泉:そうやった、展望、新曲。
(※注5)2013年10月18日~20日の3日間、THE SHITMSは東京のバンドHAPPLEとWレコ発ツアー「THE SHITMSとHAPPLEは続く」を行った。
協力/cafe and bar gigi、TIME MARKET、SOUTH POP